インドで少年強盗に遭ったときのこと

個人旅行でインドのバラナシへ行ったときのことです。駅から宿泊していたホテルまでオートリクシャー(三輪タクシー)に乗りました。インドはどこもそうですが、街中は非常に混雑していますので、リクシャーは少しでも空いている道を探そうと裏路地に入っていきました。

狭い路地に入ってしばらく行くと、たむろしている少年たちに出会いました。中学生くらいでしょうか。一見して貧しい身なりの子供たちでした。リクシャーが来ても道をあけようとはしませんそれどころか、5,6人もいるその子たちはわらわらとリクシャーを取り囲んだのです。

運転手と少年たちの間でやりとりがありました。運転手はとても怒っていましたが、子供たちはちょっと怖いような目で私をじっと見つめてきました。

「金を出せといってます」

運転手がいいました。彼らは少年強盗だったのです。どうしよう、どうしよう、と私がうろたえていると、少年の一人が座席へのぼってきました。その手にはなんとナイフが握られており、私にむかって刃先を向けてきました。

「マダム、お金だして!」

運転手が叫びました。彼もナイフを突きつけられていました。私はあわてて財布をさぐり、紙幣を数枚つかみだして渡しました。少年たちは「サンキュー」といってあっさり去っていきました。冷や汗をいっぱいかきました。

今考えると運転手もグルだった可能性がないとも言えません。たとえ昼間でも、たとえタクシーに乗っていても、治安の悪い裏路地には近づくべきではないと思いました。